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ぷてろんワールド世界の蝶>熱帯アフリカ区の蝶
熱帯アフリカ区の蝶

熱帯アフリカ区は、主にアフリカ大陸とマダガスカル島をさします。北部はサハラ砂漠に覆われ、他の大陸との間に壁を作っています。赤道の近くでは熱帯雨林が発達し、そこに多くの蝶たちが生息しています。翅の模様はアフリカ独特の雰囲気を持っているものが多くいます。


熱帯アフリカ区の蝶

熱帯アフリカ区(以前はエチオピア区と呼ばれていました)の中でも、蝶が発展しているのは主に赤道に近い熱帯雨林で、約4000種類、世界の約21%の蝶たちが生息しています。多くの蝶は他の地区では見られませんが、一部の蝶はインドまで分布が広がっています。これらの蝶の祖先が、アフリカから発生したのか、旧北区で発生したのかはわかりません。

熱帯アフリカ区の蝶をいくつか並べると、アフリカの蝶の独特の雰囲気というものに気がつきます。同じ熱帯でも新熱帯区オーストラリア区の蝶たちと比べると地味めな色の蝶が多く見られ、ホソチョウを中心として擬態関係が発達したためか、茶色、黒色、白色を基調とした羽の模様が非常に多く、黒い点が翅の基部によく見られます。


毒素を持つホソチョウの仲間は多くの擬態関係へと発達している。

アゲハチョウの仲間。右はアオスジアゲハの仲間。

タテハチョウの仲間

シジミチョウの仲間

アフリカ大陸発展するグループ

新熱帯区ドクチョウの仲間が発展しているのに対して、熱帯アフリカ区ではホソチョウの仲間が同じような展開をしています。ホソチョウは世界で約280種確認されていますが、そのうち220種(!)がアフリカとマダガスカルに生息しています。似たような種類が大変多く、また、ドクチョウの仲間と比べると、地味なので同定などが難しいグループともいえます。


ホソチョウの仲間

アフリカの蝶で収集家の間で人気があるのは、なんといっても頑丈な体と2本の尾を持つ、大型のアフリカフタオチョウ(Charaxes属)の仲間です。アフリカの熱帯雨林には世界の85%以上にあたる約170種が生息していると言われています。


アフリカフタオチョウの仲間

アフリカ特有のタテハチョウの仲間でアジアのイナズマチョウにあたるのが、ボカシタテハの仲間です。ボカシタテハの資料は乏しく、個体変異、地域変異、季節型など同じ種類でも羽の模様が変わり、同定は困難を極めます。種類数は約190種と、ホソチョウについで、最も熱帯アフリカ区で種類の多いグループです。この蝶たちの多くは原始林の中に住み、森から出てこないといわれています。


ボカシタテハの仲間

熱帯雨林の蝶とは別に、サバンナで発展しているのがツマアカシロチョウの仲間です。羽の先が赤色、黄色、橙色、紫色など、かわいらしい種類が多くいます。


ツマアカシロチョウの仲間

コケシジミ亜科(約600種)も他の大陸では見られない、珍しい蝶たちです。その形や色から、昔はシジミチョウと思われていなかった種もいます。多くのこのシジミチョウたちは、シジミチョウ科としては大変珍しく、色々な毒蝶に擬態しています。また、幼虫は岩や木の幹などに生えているコケなどを食べ、アリの巣に住んでいたりします。


コケシジミの仲間

なぜか少ないジャコウアゲハの仲間

他の熱帯地区を見ると、ウマノスズクサなどを食草とするジャコウアゲハの仲間が発展していますが(例えば、南アメリカではマエモンジャコウアゲハの仲間、東南アジアではトリバネアゲハの仲間など)、アフリカ大陸にはウマノスズクサがあるのにもかかわらず、このジャコウアゲハの仲間が生息していません。唯一生息しているジャコウアゲハはマダガスカル島のみに生息しているアンテノールジャコウアゲハだけで、蝶の分布の謎となっています。


アンテノールジャコウアゲハ


参考文献

  1. Larsen, Torben B. 2005. Butterflies of West Africa. Apollo Books. Ternstrup, Denmark.

 

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