■トリバネアゲハ属（Ornithoptera）
世界でももっとも美しい蝶の一群で、大きいため愛好家も多い。トリバネアゲハ属は以下の３亜属に
分類されます。雄と雌は大きさも、羽の模様が違うため、最初は雌が別種扱いされたときもありました。
◇ビクトリアアゲハ亜属（Aetheoptera）
雄の羽の形が特有なグループで、世界最大のアレキサンドラトリバネアゲハのこの亜属に含まれます。
【アレキサンドラトリバネアゲハ】Ornithoptera alexandrae (Rothchild, 1907) ♂♀（表）
パプアニューギニア Papua New Guinea 前翅長 100mm/117mm
世界で最も大きいとされる蝶（蝶の体について参照）。
棲息地は極めて局部的で環境保護が無ければ絶滅のおそれがあるとされている。
【ビクトリアトリバネアゲハ】Ornithoptera victoriae reginae (Salvin, 1888) ♂（表・裏）
ソロモン諸島（マライタ島） Maleita Is, Solomon Islands 前翅長 83mm
【ビクトリアトリバネアゲハ】Ornithoptera victoriae victoriae (Gray, 1856) ♂♀（表・裏）
ソロモン諸島（ガダルカナル島）Guadalcanal、Solomon Islands 前翅長 72mm/108mm
羽の形が特有で、島によって羽の模様が変わる。最初に見つけられた雌は、
散弾銃で撃ち落とされ、今でも博物館に保管されている。
【ビクトリアトリバネアゲハ】Ornithopetra victoriae rubianus (Salvin, 1888) ♂♀（表・裏）
ソロモン諸島（ニュージョージア島） New Georgia, Solomon Islands 前翅長 72mm/98mm
◇メガネトリバネアゲハ亜属（Ornithoptera Boisduval, 1832）
島ごとに羽の模様や、色が変わるので様々な亜種が記載されている。メガネトリバネアゲハのメスの羽の模様は、オスと全然違うため、当初メスはOrnithoptera panthousという別の種類と思われていた。
【メガネトリバネアゲハ】Ornithoptera priamus poseidon (Doubleday, 1847) ♂♀（表・裏）
パプアニューギニア Papua New Guinea 前翅長 77mm/84mm
【メガネトリバネアゲハ】Ornithoptera priamus priamus (Linnaeus, 1758) ♂♀（表・裏）
インドネシア（セラム島） Ceram Is., Indonesia 前翅長 83mm/106mm
他の亜種と比べて大型。同じセラム島に生息するゴライアストリバネアゲハのメスに似ている。
【メガネトリバネアゲハ】Ornithoptera priamus teucrus (Joicey & Talbot, 1916) ♂♀（表・裏）
インドネシア共和国（ビアック島） Biak Is., Indonesia 前翅長 66mm/88mm
【メガネトリバネアゲハ】Ornithoptera priamus admiralitatis (Rothschild, 1915) ♂♀（表・裏）
パプアニューギニア（マヌス島） Manus Is., Papua New Guinea 前翅長 74mm/94mm
【メガネトリバネアゲハ】Ornithoptera priamus caelestis Rothschild, 1898 ♂♀（表・裏）
パプアニューギニア（ミシマ島） Misima Is., Papu New Guinea 前翅長 64mm/86mm
【メガネトリバネアゲハ】Ornithoptera priamus urvillianus (Guérin-Méneville, 1830) ♂♀（表・裏）
パプアニューギニア（ブーゲンビル島） Bougainville Is., Papua New Guinea 前翅長 83mm/98mm
【アカメガネトリバネアゲハ】Ornithoptera croesus croesus (Wallace, 1859) ♂（表・裏）
インドネシア共和国（バチャン島） Bachan Is., Indonesia 前翅長 84mm
ウォレスが初めて本種を採集したときの日記は有名。
ウォレスはあまりにも興奮して熱を出して寝込んでしまったという。
【アカメガネトリバネアゲハ】Ornithoptera croesus lydius (Felder & Felder, 1865) ♂♀（表・裏）
インドネシア共和国（ハルマヘラ島） Halmahera Is.,. Indonesia 前翅長 72mm/92mm
