▲ヘレナキシタアゲハ(インドネシア共和国、ジャワ島)
ジャコウアゲハ族には、以下の属が含まれますが、学者によってはあるグループを、新たな属に分けたりまとめたりしていて、7~12属と未だに不安定な分類となっています。ジャコウアゲハ族は、ウマノスズクサ類を食草とし、主に世界の熱帯地区で発展していますが、不思議にマダガスカル島を除くエチオピア区には、食草があるのにも関わらず生息していません(マダガスカル島にも1種のみ)。世界には約130種類いるとされています。
東南アジア地区で発展しているキシタアゲハ属・アカエリトリバネアゲハ属・トリバネアゲハ属は有名でこの3属を「トリバネアゲハ」を称して収集家の間でも絶大な人気を誇っています。この中には、世界最大の蝶と言われるアレキサンドラトリバネアゲハが含まれ、そのほかの種についても他のグループでも例を見ない大型の蝶のグループです。
一方、新熱帯地区に生息しているアオジャコウアゲハ属・マエモンジャコウアゲハ属は、東南アジア地区のジャコウアゲハ族に比べると、中型で色彩も控えめとなります。
日本で生息が確認されているジャコウアゲハ族は、ジャコウアゲハとベニモンアゲハ(南方から来る迷蝶を除く)です。
▲(左)日本のジャコウアゲハ。捕まえると、腹部をまげて先端を開きます。(右)インドネシアのヘレナキシタアゲハ。捕まえると同じ反応をします。
- キオビジャコウアゲハ属(Euryades C. & R. Felder, 1864)
- ウスバジャコウアゲハ属(Cressida Swainson, 1832)
- マエモンジャコウアゲハ属(Parides Hübner, [1819])
- アケボノアゲハ属(Atrophaneura Reakirt, [1865])
- ジャコウアゲハ属(Byasa Moore, 1882)
- ホソバジャコウアゲハ属(Losaria Moore, 1902)
- ベニモンアゲハ属(Pachliopta Reakirt, [1865])
- キシタアゲハ属(Troides Hübner, [1819])
- アカエリトリバネアゲハ属(Trogonoptera Rippon, [1890])
- トリバネアゲハ属(Ornithoptera Boisduval, 1832)
- アオジャコウアゲハ属(Battus Scopoli, 1777)