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モデルとミミックの関係

■蝶の収集を趣味に持ち、世界中の蝶を集め始めると、熱帯地方では多くの種類の蝶達が擬態関係に関係していることに気が付きます。さて、この擬態関係。真似される方と真似する側。両者のメリットはいったい何があるのでしょう。ベイツ型擬態でもでるを真似するミミックと、真似されるモデルの関係について考えてみました。


ミミック側のメリット

毒をもっていない蝶が毒をもっている蝶を擬態するメリットは一つ。ベイツ型擬態のページで説明した、モデルが天敵に食べられれば食べられるほど、自分たちが天敵から襲われる確率が少なくなることです。ミミックは時に一目では分からないほど巧妙に似る種類もあれば、何となく似ている種類まで色々といます。

本当に自然とは不思議なもので、「あの蝶を真似すれば、自分たちが助かる」と考えた蝶達が、自分たちの翅の模様を変えていったとしか思えないほど巧妙です。また、多くのミミックたちは、モデルの飛び方まで真似する種類が多くいます。

ミミックがメスしか擬態しないわけ

擬態関係を見ていると、ミミックのメスだけが擬態しているケースがいくつか見られます。メスアカムラサキはメスがカバマダラを擬態しますが、オスは擬態していません。これは何故でしょう?

 
メスアカムラサキのオス・メスとカバマダラ

擬態の効果を上げるため

ミミックは、その数が増えてくると、擬態の効果がだんだん薄れていき、メリットが少なくなってきます。そこで、食べられても種の存続に対してダメージが少ないオスは擬態をやめた、という説があります。ダメージが少ないというのは(1) 多くの場合メスは1回のみ交尾をして卵を沢山産む。(2) オスは何度も交尾をすることが出来、種を残す上で1頭のオスの死は大きなダメージを与えない。たとえオスが1頭死んだからといって、別のオスがその分のメスと交尾が出来るという事です。
こうすることにより、メスが天敵から襲われる確率が更に下がるわけです。

ミミックから逃げるモデル

こうした説の中でも、やはりモデルにとってミミックの存在はメリットが無いという見方の学者もいます。こういった学者達は、モデルは出来るだけミミックと違う模様を持つように進化し、一方ミミックはそれを追っかけるように進化していくと言います。モデルとミミックはいわゆる「鬼ごっこ」的進化を遂げているという説で、これらの関係が蝶の翅の模様の複雑化と種の爆発的発展に結びついていると考えられています。



[擬態のページ:ベイツ型]
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