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油染みのとり方

■標本にした蝶の羽が時々濡れたようになったり、黒くなったりすることがあります。これは蝶の体から油が染み出ているためです。ここでは、油染みの取り方を紹介します。


ここに10年ほど前にもらったスウェーデン産のキベリタテハの標本があります。腹部から油が染み出て、写真のように青い紋は消えて、汚い標本になってしまいました。

まずはアセトンを用意します。アセトンはよくマネキュアをふき取るのに使われます。化粧品の近くで無色透明で、100%アセトンのものを用意します(写真はアメリカで売っていたもの)。潤い成分や香料の入っているものなど、アセトン以外の成分が入っていると油が抜けない時がありますので注意しましょう。

アセトンを容器に入れます。換気のいいところで作業する必要がありますので、ここでは外で作業しました。また、アセトンはプラスチック系の容器を溶かしてしまうことが多いので、ガラスの容器を準備する必要があります。使っても大丈夫な容器はHDPE(保存も可能)やPP(短時間だけ)、PEなどと表示されているものなどがあります。

そっと、標本をアセトンの容器に沈めます。入れたら10分間そっとしておきます。容器を揺らすと、標本が容器のあちこちにぶつかって触角が折れたりしますので、触らないようにします。

アセトンはすごい勢いで蒸発しますので、蓋をしておきます。10分立ったらそっと取り出します。

標本をそっと乾かします。ストローなどで吹くと、毛が束に固まったりすることを防げます。あまり強く吹くと、ストローの中にたまった水滴などが標本にかかったりするのでそっと吹きます。蝶の体にアセトンが浸透していると乾くのに時間がかかったりします(10分くらい)。早いときはあっという間です。

この方法で標本が元通りになります。

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