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ぷてろんワールド蝶の体について>蝶の体と浸透圧

蝶の体と浸透圧

浸透圧(しんとうあつ)という現象・しくみとそれが蝶に与える影響について説明します。

(工事中)


バランスをとろうとする力

蝶の体のしくみをもう少し詳しく知るためには、浸透圧(しんとうあつ)について理解する必要があります。浸透圧という言葉はよく聞かれると思いますが、具体的にはどういったことなのでしょうか。

まず、拡散の原理を理解しましょう。水の中に塩を入れると、溶けた塩の分子があちこち動き回り、最終的には水全体に広がり、どこの場所でも同じ塩分濃度になります。これを拡散といいます。

次にひとつの水槽に薄い塩水を入れ(真水でもいいです)、その中央に水だけを通す膜を取り付けたとします。片側の水に、更に塩を入れてしばらくすると、塩を多く入れた方の水位が上がります。これは水が膜を浸透して塩の多い方に移動したからです。


▲水を通す膜で分けられた水槽の片方に塩を入れると
塩を入れた方の水位が上がる

どうしてこのように水が移動して水位が上がるのでしょう?これは拡散により、水槽の右と左を水が膜を通して行き交っているのですが、塩分濃度が高くなった左の方は水の分子より大きい塩の分子に邪魔されて、膜の右へ移動する水が少なくなり、一方で右側の水はどんどん左に入り込んでくるからです。塩は中央の膜を通れないため、常に水槽の左側の塩の分子の数が多く、水が左側に移動し続けるため、水位を上げるというわけです。そして、ある一定の量でバランスが取れてとまります。

では水位をまた両方とも同じにするにはどうすれば良いでしょうか。これには三つの方法があります。ひとつは水槽の左側から塩分を取り除くことです。二つ目は水槽の右側に、左の塩水と同じ濃度になるよう塩を入れるとバランスが取れて水位が元に戻ります。三つ目は塩と似た、他の成分を水槽の右側に入れることです。


▲同じ塩でも、違う成分でも、バランスは変わります。

蝶の体と浸透圧

浸透圧がどのように蝶と関係しているのでしょうか。

蝶の幼虫が葉を食べるとき、葉の中には塩分や栄養素を含む色々な成分が含まれています。幼虫は食べた葉を消化してから、栄養分と水分を腸で吸収します。腸の壁は上の膜のような細胞膜(さいぼうまく)で、ある一定の大きさの物質を通すことが出来きます。このような膜を半透膜(はんとうまく)といいます。(逆に何でも通してしまう膜を全透膜(ぜんとうまく)といいます)吸収された成分は体液に放たれるわけですが、そのとき困ったことに上で説明した浸透圧の問題が発生します。成分濃度が高くなった体液には水分が入り込みます。この状態が続くと、幼虫の体にはどんどん水分が入り込み、最後には体がパンパンに膨らんでしまいます。

この問題を解決するのに、蝶はマルピーギ管を利用します。マルピーギ管は腸から取り入れられて体液にたまった塩分を腸の中に送り出し、浸透圧を均等に保つ役割も持っています。

このように、小さい体ながら蝶は体の中の浸透圧のバランスを保つしくみを持っているわけです。

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