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翅と体温の関係

■ここでは、蝶の翅の機能の一部といわれている体温調整について紹介します。

翅が体温に与える影響

昆虫類の翅は、脚などから進化したものではなく、体の一部が(この場合胸部ですが)張り出してきて出来たものと考えられています。この張り出してきた膜のようなものが、だんだん飛行する道具へと進化して、現在見られる昆虫の翅になったと言われています。

確かに春の肌寒い日などは時折蝶が翅を広げて「ひなたぼっこ」をしているときがあります。これは明らかに蝶が翅をいっぱい広げて直射日光を受け、冷えた体を素早く温めているからです。コツバメなどは、翅を立てたまま、日光浴をすることが知られています。

ところで、蛾の仲間にはフユシャクという冬だけに現れる変わった仲間がいます。この蛾が更に変わっているのはオスは普通の蛾なのに対して、メスは翅が退化していて殆ど翅がありません。これに目を付けた矢島稔氏はオスとメス(すなわち翅のあるものと無いもの)で気温を変えてそれぞれの反応を実験してみました。まずは15℃から徐々に温度を下げて観察しました。

温度

オス

メス

15.0℃
歩き回る
歩き回る
−2.0℃
ぎこちない歩きになる
−3.0℃
止まる
−6.0℃
止まる
−6.7℃
倒れて仮死状態に
−7.6℃
倒れて仮死状態に

上の実験から、翅のあるオスの方がより早く体が冷えることが分かりました。これは、翅が周囲の温度を素早く体に伝える効果あるものと思われます。次は、温度を上げてみました。

温度
オス
メス
−7.6℃
仮死状態
−6.7℃
仮死状態
−0.3℃
起きあがる
2.2℃
起きあがる
5.0℃
歩き始める
8.5℃
飛び始める
12.0℃
歩き始める

この実験では、翅がある方が早く動き始めました。この結果を見た矢島氏は、今度は雄の翅を切って同じ実験をしてみました。すると、今度はメスと同じ反応をすることが分かりました。

この実験から、蝶や蛾の翅は環境の温度と体温に大きく関係していることがわかります。

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