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プラム・キャニオン
Plum Canyon


*** あとがき注意 ***
お恥ずかしいことに、ここでの採集には許可が必要と最近判明しました(反省・・・)
よって今後プラム・キャニオンでは観察報告のみとなります。(2004年5月)
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サンディエゴに転勤した最初の年は、仕事の引継ぎやら引越しの準備であまり蝶を追いかけることは出来なかった。週末に学生のころ採集に行ったことのあるロスアンゼルス近郊に出かけて網を振ってみたが、蝶だけでなくほとんど昆虫がいないという非常にさびしい結果であった。あまりにも採れないので、ひょっとすると環境破壊の関係だろうかと疑いたくなった。
そんな状況の中、5月にロスアンゼルスの自然史博物館でインセクトフェアー(!)が行われていることを知り出かけてみたところ、上手い具合にアメリカの蝶屋たちに出会うことが出来た。南カリフォルニアの蝶の採集について訊いたところ、何でもその年は降雨量が非常に少なく、蝶の数も極端に少ないとの話であった。
「いや、今年はみんなボウズ*ばっかりだよ」 (*まったく収穫がないこと。もっともこんな言葉をアメリカ人が使ったわけではありませんが・・・(^^;)
こんな言葉を聞いて「なんだ、自分だけじゃないのか」と安心したと同時に、その年の採集に対する意欲が、ほとんどなくなってしまったのであった。
とりあえず、その年は情報収集の年にしようと決めたものの、仕事にずるずるとおぼれ、結局その年は何もすることが出来なかった。

カリフォルニア州の蝶は大学のころから興味があり、その北の州にあるオレゴン大学にいた私は、春休みになると、よくロスアンゼルス地域に採集にきていた。そのころ頼りになった資料が「Butterflies of Southern California」という本で、今でも博物館にある本屋などで見かけることが出来る。その本によると南カリフォルニアの採集シーズンは2〜11月とある。正直こんなに南に住んだのは初めてなので、シーズンが長いことに心が躍った。
1月。まずは採集地と発生時期の調査ということで、サンディエゴ博物館を訪ねてみた(詳しくはサンディエゴ自然史博物館のページへ)。おいてある標本を見てみると、やはり春に発生する蝶は2月1日くらいからのデータが多い。標本は古いものが多く、1940年とか1930年とか。新しいもので1980年くらいで、これほど古いと、あまり採集地のデータは使えそうにない。
次にアメリカお得意のインターネットで検索をかけてみたところ、なんとサンディエゴでの採集ガイドみたいなホームページが複数見つかった。やはりここ南カリフォルニアは蝶屋たちを刺激する種類が多いためか、情報が結構記載されている。
この情報の中でももっとも目についたのは、家から車で約1時間半くらい東にあるAnza-Borrega 砂漠であった。詳しく採集ポイントが紹介されている上に、家の近くである。これは行かずにはいられない。
シーズンは2月からというものの、この年はエルニーニョ現象のためか雨も多く、1月中旬の気温も高かった。1月終わりに近づくと、家の周りの花が咲き始め、にわかに砂漠のようであった丘などが緑がかってきた。
これはチャンス。
私は2月まで待ちきれず、1月の終わりに網を持って出かけるのであった。


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