チ
リ
ク
ワ
を
求
め
て
by 虫キチコージ
TABLE OF CONTENTS
注意! これは、月刊くわがた狂の大馬鹿者達!12月号に投稿したものを
加筆・訂正したものです。
このページに記載されている学名は、誠に無責任ながら未確認状態です。
参照するときは、気を付けて下さい。
は
じ
め
に
くわ馬鹿を初めてまだ1年もたたない私が、既に色々な外産までに手を染め始めている。もともと私は蝶キチガイから始まっており、それは現在も至っているのだが、最近はくわ馬鹿も蝶キチに劣らず熱を上げてきている。私の仕事は海外出張があり、今まで何度か現地スタッフの目を盗んでは、網を振っていた。蝶を海外で見つけるのは、あまり難しくない。車で移動しているときすら、蝶が飛んでいるのを確認できる。いくらか植物と花さえあれば、珍しい種類など望まなければ、そこそこ採れるものである。ところが、これがクワガタになると、そうはいかない。彼らは蝶などに比べると限られた場所でしか見ることが出来ない。
今回は、久々のチリである。前回行ったのは1995年(これも仕事で)、まだ蝶しか採らなかった時である。その時は、モンキチョウを採って大いに満足していた。しかし、くわ馬鹿病になってからはそうはいかない。チリにはチリクワがいるのだ。これを採らずして日本へ帰れるものか。かといって特にチリクワが好きであったわけではない。正直言って、私はチリにどんなクワガタがいるのかも知らなかった。一種類だけ知っていたのが、学研の図鑑に載っていたチリークワガタであった。ただ、「生態があまり知られていない」とか、「不明」とかいう文字を図鑑などで見ると、ふつふつとパイオニア精神が湧いてくる。「会社の費用で地球の裏側に行くんだ、調べまくってやる!」ということになる。
先ずはISOBEさんの掲示板にチリクワの情報を収集するべくポストしてみた。早速チリの標本商を紹介していただいた。彼の名前はセルジオ・カストロ。サンチャゴに住んでいる数少ないチリの虫屋だ。e-mailで彼に連絡したところ、今回私が出張する町の南の方で採集に行くので、連れていってくれるとのことであった。一生に一度のチャンス。私は、現地にお客様を置き去りにして、お供させていただくことにした。(こりゃ、クビになるかもしれん(^^;))
チリに行ってから気が付いたことだが、実はくわ馬鹿5月号にA.CHIBA氏による「怪説・世界のクワガタ」にシワバネクワガタ属とコガシラクワガタ属の解説(怪説?)があった(ハードディスクに保存してある、くわ馬鹿ダウンロード・バージョンはこういうところで生きてくる)。なるほど、南米にはクワガタらしからぬクワガタが沢山いるもんだ。しかもチリのクワガタは数種類しか載っていない。ますます今回の収穫がどんなものになるか期待が大きくなる。なんでもカストロ氏のメールの中に何度か「Beauty Stag Beetle(ビューティ・スタッグビートル)」なんていうものが何度か出てくる。ビューティというからにはすばらしく色とりどりな種類に違いない。
こうして、私の旅が始まるのであった。