ハネナシ、ズボラ飼育される


初めてみたときは、あれほど感激したチリハネナシクワガタだが、今図鑑などを見てみると結構あちこち載っていることに気づいた。良く下調べしていけば、私の発見の喜びは半減だったに違いない。時には知らないこともいいもんだと思う。さて、こいつらを飼って気づいたことをここに記す。ズボラ且ついいかげんな飼育であり、我ながらせっかくの機会なのにもったいないと反省している。

1)やたら頑丈

こいつらはとにかく丈夫の一言につきる。エサをしばらくやり忘れようが、温度が低くなろうが、彼らの表情は変わらない(ように見える)。手に乗せてしばらくすれば、ぜんまい仕掛けのおもちゃのごとく、ひょこひょこといつものように歩き出す。近所のガキにいじめられようが、元気に彼らは我が道を生きていくようだ。「まじめに飼育をしろ!」とみなさんに怒られてしまいそうだが、これはこれで飼育記録となるであろう(なんて、いい訳だな)。ただし、いくら丈夫とはいえ、暑さには弱いようだ。一度プラケース内が30度近く上がってしまったときは、半数を☆にしてしまった。こんなところはやはりアンデス出身って感じだ。

2)結構仲良し

ハネナシは本当におとなしいクワガタだ。チリでは洗面器の中に30〜40匹ほどがうごめいているのを見た。今回も、中プラケースに5匹程を飼育しているのだが、仲良く一緒に暮らしているようだ。木をひっくり返すと、5匹かたまって見つかることが多い。体にも傷は見あたらなく、また、手にとってもオスが威嚇するようなこともあまり見られない(この辺がちっこいガキども好感度ナンバー1)。現地でも最も沢山見られた種類でもあり、メスとり競争があまり激しくないのであろうか。恵まれた環境のため飛ぶこともやめたのかもしれない。

ところが、全然おこらないかというと、そうでもないらしい。たまたまエレファスとハネナシのプラケースを掃除しているとき、77mmのエレファスとハネナシ35mmを手に乗せていたら、エレファスがハネナシに喧嘩を売り始めた。当然ハネナシは無視して歩き去るのであろうと思ったら、なんと、頭を低くして戦闘態勢に入ったのである。そして二股に分かれた大顎を使い、エレファスの大顎を挟み、エレファスを持ち上げてしまった!(@@)。ハネナシは実は「気は優しくて、力持ち」なのであった。

3)結構長生き

ハネナシを採集したのは、12月6日。セルジオ氏は6ヶ月の飼育記録があったといっていたが、今回8月14日まで生き残った。最後に死滅したのはおそらく温度が上がりすぎたせいだと思う。これは反省。うまく温度を下げておけばもう少し長生きしたであろう。

4)まだまだ分からん生態

ハネナシは残念ながら採卵した人は未だにいないようだ(いたら教えてm(_ _)m)。マットにはトンネルを掘りまくり、まるで遊んでいるようだ。硬めのクヌギを1本入れてあるが、特に産卵の様子は見られない。が、へんな模様が彫られていたので、ここに残す。ミニチュア・ミステリーサークル?。


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