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標本を作ろう

■展翅の道具がそろい、蝶の準備が出来たら展翅を始めましょう。蝶が硬くなって、軟化しなければならない方はこちらへ・・・。


蝶に針を刺す

 

まず、蝶が十分やわらかいことを確認しましょう。当日採ってきた蝶でも、小さなシジミチョウなどは採集地から帰ってくる間に乾燥してしまうことがあります。触角などが固まっていないかどうかを確認します。この時触角を折ってしまわないように気をつけます。冷凍庫で保管していた蝶の場合でも同じです。冷凍庫に入れている間に乾燥してしまうこともありますので注意しましょう。

蝶が十分やわらかいことを確認した後、蝶の胸部の真ん中に虫ピンを「直角」に刺します。「直角」にしなければならないのは、これがずれると、この後展翅に大きな影響を与えるからです(翅を広げるときに、無理な角度になり、根元から折れてしまう)。出来るだけ正確に、前と横から注意しながら刺しましょう。刺し損なったときは、抜いて刺し直せばいいのですが、あまり何回も刺し直すと蝶が傷つくので気をつけましょう。蝶の体を横から見て、頭が上がりすぎていないかどうかなどもチェックしましょう。標本のできばえは、この最初の針の刺し方が大変重要ですので、出来るだけ丁寧に刺す様に心がけます

 
▲針が斜めに刺さると、左右翅の高さが変わってしまう(左)。
右のようにまっすぐ差すことが大事。

蝶を展翅板の中央に刺す

これも、展翅板に対して直角にさして調整しましょう。針を展翅板に刺した後は、蝶の高さを展翅板に合わせて上下に調整します。高さを調整するときは、翅を触らず、ピンセットなどで胸部を動かしましょう。刺した後に、色々な方向から見てまっすぐになっているかどうかをよく確認します。大型のタテハチョウやアゲハチョウの場合、翅をあげているうちに針が前倒しになってしまうことがあります。これを防ぐために最初からやや後ろに傾くように針を刺す方法もありますが、経験や練習が必要です。

蝶の体が展翅版に対してまっすぐになっていることは、きれいに展翅するにはとても重要なことです。頭が下がっていたり、傾いていたりしていないか、よく確認しておきましょう。

展翅テープで翅を押さえる

蝶の翅を広げて、展翅テープ(パラフィン紙や透明フィルムなど)で押さえ、まち針で仮留めしておきます。このとき、展翅テープは、展翅板ときちんと平行になるように注意しましょう(写真は透明フィルムを利用しています)。展翅テープが斜めになった場合、最後の方に展翅する蝶にテープが被さったり、翅を押さえきれないほど外にはみ出てしまったりします。

テープを蝶の翅の下から持ち上げる時、テープで蝶の翅を傷つけないように気をつけましょう。

蝶の翅を整える

 
まずは、前翅から。右利きの場合は、左翅から始めるとやりやすい。
 
前翅をそろえたら、後翅へ。常に全体のバランスを見て、調整しながら進める。
 
後翅を両方そろえたら、もう一度全体のバランスを見て調整する。
 
触角をそろえて、完成。

決まりはありませんが、右利きの人は左側から、左利きの人は右側から蝶の翅の整形するといいでしょう。前翅を両方整形し、そのあと後翅を調整すると、展翅しやすいです。後翅の上げ具合は個人によって、好みが違いますので、図鑑などを見て参考にしながら、調整してください。(左前翅・左後翅・右前翅・右後翅の順でも、やりやすいのがベストです。常に全体のバランスをを調整しながら、展翅しましょう。)

ここで気を付けるべき点は、後翅が下がったままの状態で前翅を上げすぎないことです。蝶の翅は、前翅が後翅の上に重なるようになっていますが、前翅を上げすぎると、後翅が、前翅の上に出てしまうことがあります。この様なときは、そのまま無理に直そうとしないで、一度蝶を展翅テープをはずして後翅を元に戻してから、最初からやり直しましょう。

翅を動かす時は、翅脈針、またはまち針で動かします。前翅中室の太い脈に針を引っかけ、翅を引っ張り上げます。ひっかける場所は、蝶の種類によって様々ですが、できるだけ太くて、翅が破れない場所を選びます。展翅テープで覆われ、この場所を使えない場合は、翅の基部の脈を使って翅を動かすこともできます(動画参照)。翅を動かすと、蝶の体が動きますので、常にに体がまっすぐになるようにしましょう(きれいな標本を作るなら、このことは重要なポイントです)。体が斜めになっていると、左右の翅の高さがそろわなくなります。下の図は、簡単な説明です。緑の点は、仮止め、赤の点は本止めです。留め針は沢山使うのがきれいな標本を作るこつです。

1. まず、翅を開けて仮止めしておく。 2. 右利きの人は左、左利きの人は右側の前翅から整えます。 3. 反対側の前翅を整えます。前翅の下縁がまっすぐになる様にします。体もまっすぐに。

4. 後翅を整えます。 5. 反対側の後翅を整える。 6. 触角をそろえて、出来上がり。

翅を上げる時、針の動きは下の図のように弧を描くように動かします。また、翅の根元のほうの太い翅脈を引っ掛けて動かすことも出来ます。

 
▲左のように引っ張ると、翅が破れます。常に翅の同じ場所に針があれば、
右の図のようにカーブを描いて動くはずです。

翅の整形がおわったら、色々な方向から見て左右対称かどうか確認しましょう。大型の蝶で整形の過程で虫ピンが前倒しになってしまった場合、整形が終わった後、両方の翅の根元のほうを押さえながら針をそっと抜いて展翅版に刺しなおすことも出来ます。小型の蝶の場合、この様なことは起こりにくいですが、万が一針が傾いてしまった場合は、展翅をし直すのが無難です。

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