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吸水行動


夏の暑い日に、川や海で蝶たちが1頭、または複数で地面にとまって、しきりに何かを吸っているのを見たことはありませんか?この行動は、吸水行動(きゅうすいこうどう)といって、なぜこの様な行動を蝶たちがするのか、まだはっきりと分かっていません。現在次の2つの説が有力となっています。

吸水行動
▲モンシロチョウ(左)とスジグロシロチョウ(右)の吸水行動

体温調整

吸水行動が、暑い日に集中的に見られるため、体温の上がりすぎた蝶が体を冷やすために水を飲んでいるという説。多くの蝶が吸水しながら、おしりから水を排出しているのが観察されています。蝶は、体温を上げるときに羽を開いて日光を精一杯吸収しますが、上がりすぎた体温を下げる機能は備えていません。そのため、温度の低い水を吸水し、排出することによって体温を下げているといわれています。

シジミチョウの吸水行動
▲ダマーズヒメシジミ(左)の吸水行動

栄養成分補給

吸水行動が体温調整と思われている一方、この行動で不思議なことがあります。、ほとんどの吸水している蝶たちがオスであることです。しかもその多くが羽化したばかりのオスばかりなのです。メスが吸水していることはまれで、このため吸水行動は蝶のオスが羽化した後に、オスの体に必要な成分を補給するために行う行動とも考えられています。

蝶は、動物の排泄物(おしっこ)などに吸水しに集まることが多いため、その主成分であるナトリウムが蝶の必要としている成分と思われています。

オスが必要としているナトリウムは、蝶が活発に飛び回るために必要な栄養素とされています。つまり、メスを探して活発に飛び回るオスは、筋肉の運動に必要なナトリウムイオンを、この様な吸水によって補給するというものです

ウスキシロチョウのメスは吸水にくることが知られています。但し、吸水にくるのは、移動性の強い「ギンモン型」のウスキシロチョウで、定住性の「ムモン型」のウスキシロチョウのメスは、あまり吸水に来ません。この事実からしても、吸水行動で得られる「飛ぶ力」の源の一つはナトリウムなのではと考えられます。

もうひとつ蝶の行動に吸いもどしと呼ばれる行動があります。これは、セセリチョウやタテハチョウなどで、ある固形物(たとえば獣糞)にとまり、その上におしっこをして、そのおしっこをまた吸い戻す行動です。つまり、固形物におしっこをかけることによって、栄養分を溶かし、それを吸い戻すことによって栄養を得るというものです。

上記の2説が有力な説と思われ、どちらも間違っているとはいえません。今後の研究によって、さらに吸水行動について解明されるかもしれません。


▲指から汗を吸うシジミチョウ(タイにて)
汗を吸うのはナトリウム摂取のため?

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