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モルフォチョウ族(Morphini)のページ

■モルフォチョウ族の多くに見られる雄の金属的輝きは有名で、よく装飾品などにも使用され、名前はともかく存在自体の知名度は高いグループです。その全種類が中南米に生息しており、開長170mmを誇る、南米最大のタイヨウモルフォ Morpho hecubaも含まれます。翅の大きい割りには体は小さく、アゲハチョウ科のトリバネアゲハ類とは少し違った感じがします。


南米の蝶を代表するこの美しい蝶の一群を紹介しましょう。この蝶は翅の構造色の代表種でもあり、その不思議な色に人は惹かれます。雄の翅は真珠のような淡い白色をしたものから、濃いバイオレットに妖しく光るものまでいますが、雌は一般的にあまり光沢がなく、地味です。図鑑の写真で見るモルフォチョウと実物のモルフォチョウは見た感じが少し違います。これは翅の色が構造色であるため右目で見る蝶と左目で見る蝶の羽の色が若干違うためです。下にある写真はステレオグラフといって、ご存じの方も多いと思いますが、右の写真を右目で、左の写真を左目で見ることによって立体写真を見る方法です。この方式で見ると普通の標本写真とはひと味違ったモルフォチョウが見れます。

▲キプリスモルフォのステレオグラフ

成虫は主に樹液や腐った果実などに集まります。とまっている蝶は、翅を閉じて地味な保護色しか見えないため発見するのが難しいのですが、一度飛びたつと、数キロ先からでも発見できるほどのまぶしい光を反射しながら飛び回ります。Young & Muyshondt (1973) によると、モルフォの食草には有毒のものもあり、これを食べて育ったモルフォチョウは体内に毒を蓄えているのではとの説があります。つまり、もし鳥などの天敵がこの様な蝶を食べた場合、その後は同じように輝く蝶は食べなくなるので、蝶はわざと目立つ色をしているというものです。ただし、この仮説は多くのモルフォチョウが鳥によって補食されているのが目撃されているので、まだ研究の余地がある様です。

モルフォチョウはその大きさと美しさから、大変人気がある蝶のグループであるため、昔から大変細かく、多くの種類に分けられてきた傾向にあります。ここでは長年にわたりモルフォチョウ類を研究され、2007年にその研究結果をまとめられた、Blandin氏の分類(29種類)に従って紹介します。モルフォチョウの分布はメキシコ(迷蝶としてアメリカ合衆国南部)から南米までで、アマゾン川流域で発展しています。

モルフォチョウ属(Morpho)は以下の亜属に分類されます。

そしてDNAの研究などの結果、以前ジャノメチョウ族として扱われていた、次の属がモルフォチョウ族に加わっています。

ところで、一部の標本を除いて多くのモルフォチョウの標本は腹部がありません。これは蝶が採集された後、標本商などが取ってしまうからです。これは、タテハチョウなどによく見られるように、腹部の油が翅にしみ出てきて、光沢が失われてしまうからです(右写真)。構造色をもったモルフォチョウがこの様な状態になると光らなくなってしまいます。



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参考文献
Blandin, Patrick. 2007. The Systematics of the Genus Morpho, Fabricius, 1807.Canterbury, Hillside Books.
Young, A. M. & A. Myshondt. 1973. The Biology of Morpho peleides in Central America. Caribbean Journal of Science. 13:1-49.

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