メタリフェル輸入解禁申請準備


某掲示板でニジイロクワガタの解禁を聞いた私は、思わず焦ってしまいました。「早く自分も解禁申請をしたい!!」はやる気持ちを抑えられなくなり、よせばいいのに就業中に横浜植物防疫所に電話。

「もしもし横浜植物防疫所です。」

「あ、すいません、輸入の手続きについてお訊きしたいのですが。」

周りの人たちは電話や会話でガヤガヤとしている。しめた、これは堂々と聞ける。

「どういったものを輸入されようとしているのでしょうか?」

「ク・・・」と言った途端、嘘のように周りが静まり返る。

「・ど・・・動物なんですが。」

「あ、動物はこちらでないんですよぉ。ペラペラペラペラ・・・・(あと何も聞こえず)」

就業中にこんな事をしてしまったことを少し反省。とりあえず近くの東京支所の電話番号を聞き電話を切る。


4月27日、午後半休を取り品川へ。目指すは横浜植物防疫所東京支所。今更だが、せっかくだから横浜まで行けば良かったと思う。とにかく、バスに乗って合同庁舎につき事務所にたどり着く。

「あのう、(-_-)> 先ほどお電話した虫キチ(当然本名を言ったのだが)ですが・・・」

「あぁ。ちょっとお待ちください。次長!クワガタムシの輸入の件で来た人です!」

てな感じで始まる。「残念ながら、本件の担当者は出張中でして・・・」と次長が出てきた。

「いや、ちょっと輸入解禁の申請の仕方についてお訊きしようと思いまして」

会社帰りのスーツ姿で、クワガタムシを輸入したいなどと言っている自分が少し恥ずかしい。次長も次長で「変わった人だな」という感じでの対応。幸い、最近解禁になったオーストラリアのニジイロクワガタは植防でも有名?だったらしく、解禁された旨の関係書類がすぐに出てきた。いや、正式には、「有害動物」から除外された旨の書類だ。

「この方の申請したときの書類は見ることが出来ないのでしょうかね?」

「いや、それは残念ながらお見せできないんですよ。」

「そうですか・・・。それは(と書類を覗き込む)いいですか?」

「あ、どうぞ。」

なるほど、「ニジイロクワガタの取扱について」なんてな感じで内部に通達が回っているようだ。見てみると、ニジイロクワガタの輸入解禁を申請している人は15もの文献を参考資料として提出している。小学館の世界のクワガタムシの図鑑(だったと思う)から、オーストラリアの文献まで色々とある。この通達に書いてある内容としては、ニジイロクワガタについて(何属に属するとか)と、その生態を簡単に纏めた物で、最後の締めくくりは有害動物より除外できると書いてある。以外と簡単そうだ(資料さえ揃えば・・・)。

また、この書類に手書きでノコギリクワガタ、アカアシクワガタ、ニジイロクワガタとカブトムシの学名が書いてあった。おそらく問い合わせに対して、この4種類しかだめですよ、というためのものであろう。

書類に目を通していると、平成11年3月31日付で「クワガタムシ科及びカブトムシ亜科昆虫の有害性判定の取扱について」なんていう通達が内部で回っているらしい。最近この手の問い合わせが多いのであろう。これに基づき、ニジイロクワガタも解禁されたとのことだ。是非見たい。

「これは、見せてはいただけないものでしょうか」と指を指す。

「いやぁ、これは内部関係の書類でお見せすることは・・・」

残念 (-~-)

しかし、これから見ると、文献の数こそ少ないものの、メタリフェルのために集めた資料はニジイロクワガタのものと似ている。「こいつはいけるかもしれん。」と私は思った。

「では、もう少し資料を集めることとします。有り難うございました。」

「あぁ、いえいえ。ところでこれはご趣味でやっているんですか?」

「あ、えぇ。虫は小学生ぐらいからずっと好きなもんで・・・。あの、最近こういう申請は多いんでしょうかね?」

「ええ、商売やるから輸入させろってのが多いですね。でもおたくのように資料を揃えて来る人は非常に少ないですね。」

というわけで、私はとりあえず家路についた。


今回用意した書類

 月刊むし No.244「ホソアカクワガタ属の1新種4新亜種」pp4-10, June 1991

 月刊むし No.305「メタリフェルホソアカクワガタの生態」pp16-19, July 1996

 月刊むし No.329「メタリフェルホソアカクワガタの飼育」pp8-10, July 1998

これらの資料入手にご協力いただきました、サイコさんに感謝。

平成11年4月30日再度行動開始




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